東京都世田谷区・橋本恵子さん(42歳・経理職)が、通勤電車のたった15分で見つけた、小さな"自由"の話。
「最近、朝の電車が楽しみで仕方ないんです」と笑う橋本さん(写真:本人提供イメージ)
正直に書きます。
円安のニュースを見るたび、小さくため息をつくのが、いつの間にか日課になっていました。
新婚旅行で歩いたパリの石畳。子どもたちと一緒に、いつかローマの広場で写真を撮りたい。そんな夢を、気がつけば"老後の楽しみ"の引き出しに、そっと片付けていたんです。
朝6時に起きて、お弁当を作って、子どもを送り出して、満員電車に揺られる。自分のための時間なんて、もう何年もなかった気がします。
職場のランチで、いつも疲れた顔をしていた同期の松井さん(44)が、最近やけにスッキリして見えたんです。「何かいいことあった?」と聞いたら、彼女、少し恥ずかしそうにスマホを見せてくれました。
画面に映っていたのは、想像と全然違うものでした。派手なギャンブル風のゲームでも、難しいパズルでもない。
そこには——本当に、パリの街並みがありました。エッフェル塔の下で、知らない誰かと一緒に、なつかしい"あの遊び"をしているんです。
これね、世界の街を"旅"しながら遊ぶの。今日はパリ、明日はリオ、次はローマ……って
— 同僚の松井さんが、スマホ画面を指して
名前は 『Bingo Blitz(ビンゴ ブリッツ)』。
開いて最初に驚いたのは、"世界地図"でした。パリのカフェ、リオのビーチ、ローマの噴水、ラスベガスのネオン……世界中の都市が並んでいて、自分で行き先を選べるんです。それぞれの街に専用のビンゴルームがあって、その街にいる気分でプレイできる。
ルールは、子どもの頃に温泉旅館で家族と遊んだ、あのビンゴとほとんど同じ。違うのは、隣の席にいるのが世界中のプレイヤーだということ。誰かが「BINGO!」を出すと、画面の向こうから拍手のスタンプが飛んできます。
電車に乗ったら、まず今日の"行き先"を選ぶ。月曜はパリ、水曜はラスベガス、金曜はご褒美にハワイ。たった15分、ただビンゴをするだけ。なのに、降りる頃には不思議と気分が軽くなっているんです。
夫には「最近、朝機嫌いいね」と言われました。お金もかけず(基本プレイは無料です)、誰にも迷惑をかけず、自分のためだけの小さな"旅"。
老後まで、待たなくてもよかったのかもしれません。
「もう昔みたいに自由には動けない」
「自分のための時間が、どこにも見つからない」
そう感じている方がいたら、一度だけ試してみてほしいんです。
毎朝の15分が、ちょっとだけ違う色になるかもしれません。